【2025年版】Kali LinuxをVirtualBoxにインストール

セキュリティ学習の第一歩にピッタリな〝Kali Linux〟

この記事では、VirtualBoxを使ってKali Linuxをインストールする方法を、初心者にもわかりやすく解説します。

仮想環境を利用することで、ホストOSへの影響を最小限に抑えつつ、セキュリティ学習や検証に最適な環境を手に入れることができます。

目次

Kali Linuxとは

Kali Linuxは、セキュリティエンジニアやホワイトハッカー向けに開発されたLinuxディストリビューションで、ペネトレーションテストやデジタルフォレンジックなどに必要なツールがプリインストールされています。Debianをベースに開発しており、パッケージ管理システムにAPTを採用しているので、ソフトウェアのインストールやアップデートが容易にできます。

サイバーセキュリティの学習に最適!
攻撃者がどのようにシステムの脆弱性を突いてくるかを学ぶことができ、堅牢な防御を構築するための知識を得ることができます。

Kali Linuxを仮想環境にインストールするメリット

Kali Linuxを仮想環境にインストールすることには、いくつかの大きなメリットがあります。

Kali Linuxを仮想環境にインストールするメリット
  • ホストOSに影響を与えない
  • インストールが簡単
  • サイバーセキュリティの学習環境や検証環境に最適
  • 無料で利用できる

ホストOSに影響を与えない

仮想環境にインストールすることで、ホストOSに影響を与えることなくKali Linuxを使用できます。

インストールが簡単

Kali Linuxの公式サイトでは、仮想環境用の仮想イメージが提供されているため、インストールも非常に簡単です。事前に設定された仮想イメージをダウンロードして、VirtualBoxにインポートするだけで、すぐに使用を開始できます。手動でのセットアップや複雑な設定が不要なため、初心者でも簡単に導入できます。

サイバーセキュリティの学習環境や検証環境に最適

仮想環境を利用すれば、1台のPCに複数の仮想サーバーを構築することができます。これにより、攻撃サーバー(Kali Linux)だけでなく、攻撃される側のサーバーも仮想環境に構築できるので、トレーニングや検証に最適な環境を作ることができます。

無料で利用できる

Kali Linuxだけでなく、VirtualBox(仮想化ソフト)も無料で利用できるため、コストを抑えてセキュリティテスト環境を整えることができます。

Kali LinuxをVirtualBoxにインストール

この記事では、Windows10に構築している仮想環境にKali Linuxをインストールします。

インストール環境

OSWindows10 Pro 22H2(64bit)
CPUIntel Core i7
メモリ32GB
仮想化ソフトOracle VirtualBox 7.1.4

インストールの流れ

  1. 仮想イメージをダウンロード
  2. VirtualBoxにKali Linuxをインポート
  3. Kali Linuxを起動・ログイン

仮想イメージをダウンロード

Kali Linuxの公式サイトでは、使用環境に応じた最新版のKali Linuxが提供されています。

  1. Installer Images
  2. Virtual Machines
  3. ARM
  4. Mobile
  5. Cloud
  6. Containers
  7. Live Boot
  8. WSL

この記事では、VirtualBox上にKali Linuxを構築するので、VirtualBox用に最適化された仮想マシンのイメージ(Virtual Machines)をダウンロードします。

ダウンロードファイル:kali-linux-2024.4-virtualbox-amd64.7z
※2025年3月2日時点の最新バージョンは、「2024.4」です。

ダウンロードしたイメージファイルを、7z形式に対応した解凍・圧縮ソフト(例.7-Zipなど)で解凍します。(解凍に時間を要するので、しばらく待ちます。)

  • kali-linux-2024.4-virtualbox-amd64.7z(3.2GB)
    • kali-linux-2024.4-virtualbox-amd64.vbox(3KB)※VirtualBox Machine Definition
    • kali-linux-2024.4-virtualbox-amd64.vdi(13.9GB)※Virtual Disk Image

VirtualBoxにKali Linuxをインポート

解凍した仮想マシンファイル(.vbox)を使って、VirtualBoxにKali Linuxをインポートします。

STEP

追加ボタンをクリック。

追加ボタンをクリック
STEP

解凍した仮想マシンファイル(.vbox)を選択し、開くボタンを押下。

解凍した仮想マシンファイル(.vbox)を選択し、開くボタンを押下
STEP

仮想マシンがインポートされたことを確認。

仮想マシンがインポートされたことを確認

Kali Linuxを起動・ログイン

STEP

起動する仮想マシン(Kali Linux)を選択。

起動する仮想マシン(Kali Linux)を選択
STEP

起動ボタンをクリックして、Kali Linuxを起動。

起動ボタンをクリックして、Kali Linuxを起動
STEP

ログインID/パスワードを入力し、Log Inボタンをクリック。

※初期状態のログインID/パスワード:kali / kali

ログインID/パスワードを入力し、Log Inボタンをクリック。
STEP

ログインが完了すると、デスクトップ環境(Xfce)が表示されます。

ログインが完了すると、デスクトップ環境(Xfce)が表示されます。

Kali Linuxの初期設定

まず、Terminalアイコンをクリックして、Terminalを起動します。

Terminalアイコンをクリックして、Terminalを起動します

ここでは、下記の初期設定を行います。

主な初期設定
  • パスワード変更
  • スクリーンセーバー変更
  • パッケージをアップデート
  • タイムゾーン設定
  • その他

パスワード変更

Kali Linuxの初期パスワードはデフォルトでkaliに設定されています。このままではセキュリティ上のリスクがあるため、必要に応じてパスワードを変更します。

$ passwd
Changing password for kali.
Current password:         # 現在のパスワードを入力
New password:             # 新パスワードを入力
Retype new password:      # 再度、新パスワードを入力
passwd: password updated successfully

スクリーンセーバー変更

初期状態では10分でスクリーンセーバーが掛かるので、必要に応じて、設定時間を変更します。

STEP

Kali Linuxのメニューボタンをクリックし、「Settings」−「Power Manager」を選択。

Kali Linuxのメニューボタンをクリックし、「Settings」−「Power Manager」を選択
STEP

Displayタブを開き、設定時間を変更。

Displayタブを開き、設定時間を変更

スクリーンロックを無効にする場合は、画面右上にあるComputerボタンよりPresentation modeをONにします。

スクリーンロックを無効にする

パッケージをアップデート

Kali LinuxはDebian系のLinuxのため、aptを使ってアップデートします。

以前はapt-getを使用していましたが、現在はaptが推奨されています。

STEP

パッケージのリストを更新する

$ sudo apt update
STEP

インストールされている全てのパッケージを更新する

$ sudo apt full-upgrade

タイムゾーン設定

Kali Linuxの初期設定では、システム日付が米国東部標準時(EST)に設定されています。

$ date
Mon Mar  3 03:24:16 AM EST 2025

そのため、タイムゾーンを日本標準時(JST)に変更します。

STEP

タイムゾーンの設定ウィザード設定を起動

$ sudo dpkg-reconfigure tzdata
STEP

「Asia」を選択

上下キーでAsiaを選択し、タブキーでOKに遷移後、スペースキーを押下します。

上下キーで「Asia」を選択し、タブキーで「OK」に遷移後、スペースキーを押下します
STEP

「Tokyo」を選択

上下キーでTokyoを選択し、タブキーでOKに遷移後、スペースキーを押下します。

上下キーで「Tokyo」を選択し、タブキーで「OK」に遷移後、スペースキーを押下します
STEP

日本標準時(JST)で表示されることを確認

$ date
Mon Mar  3 05:34:30 PM JST 2025

その他

お使いの環境に応じて、以下の設定を実施して下さい。

【重要】悪用厳禁!

サイバーセキュリティの技術を習得するためには、実践的な学習が欠かせません。ただし、セキュリティ診断を目的としていても、第三者が管理するサーバーに対してKali Linuxを使用すると、サイバー攻撃とみなされ、法的なトラブルに発展する可能性があります。

こうしたリスクを回避し、学習を効率的に進めるためには、〝やられアプリ〟を利用することをお勧めします。実際の環境とは切り離された擬似的な脆弱環境を使用することで、安全かつ合法的に実践的なスキルを磨くことができます。

下記の記事では、〝やられアプリ〟について解説していますので、あわせてご覧ください。

デフォラボ

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