【2025年版】Kali LinuxをVirtualBoxにインストール

ペネトレーションテストのプロが選ぶツール
- Kali Linux -

この記事では、Kali LinuxをVirtualBoxにインストールする方法について、初めてKali Linuxを使う方にも理解しやすいように、スクリーンショットを交えて解説しています。

インストールの流れ
  1. Kali Linuxのインストールファイルをダウンロード
  2. VirtualBoxにKali Linuxをインストール
  3. Kali Linuxを起動・ログイン
  4. 初期設定

本記事の末尾では、Kali Linuxを効率よく習得するためのポイントも掲載しています。ぜひ最後までご覧ください。

目次

Kali Linuxとは

Kali Linuxは、セキュリティエンジニアやホワイトハッカー向けに開発されたLinuxディストリビューションで、ペネトレーションテストやデジタルフォレンジックなどに必要なツールがプリインストールされています。Debianをベースに開発しており、パッケージ管理システムにAPTを採用しているので、ソフトウェアのインストールやアップデートが容易にできます。

サイバーセキュリティの学習に最適!
攻撃者がどのようにシステムの脆弱性を突いてくるかを学ぶことができ、堅牢な防御を構築するための知識を得ることができます。

Kali Linuxを仮想環境にインストールするメリット

Kali Linuxを仮想環境にインストールすることには、いくつかの大きなメリットがあります。

Kali Linuxを仮想環境にインストールするメリット
  • ホストOSに影響を与えない
  • インストールが簡単
  • サイバーセキュリティの学習環境や検証環境に最適
  • 無料で利用できる

ホストOSに影響を与えない

仮想環境にインストールすることで、ホストOSに影響を与えることなくKali Linuxを使用できます。

インストールが簡単

Kali Linuxの公式サイトでは、仮想環境用の仮想イメージが提供されているため、インストールも非常に簡単です。事前に設定された仮想イメージをダウンロードして、VirtualBoxにインポートするだけで、すぐに使用を開始できます。手動でのセットアップや複雑な設定が不要なため、初心者でも簡単に導入できます。

サイバーセキュリティの学習環境や検証環境に最適

仮想環境を利用すれば、1台のPCに複数の仮想サーバーを構築することができます。これにより、攻撃サーバー(Kali Linux)だけでなく、攻撃される側のサーバーも仮想環境に構築できるので、トレーニングや検証に最適な環境を作ることができます。

無料で利用できる

Kali Linuxだけでなく、VirtualBox(仮想化ソフト)も無料で利用できるため、コストを抑えてセキュリティテスト環境を整えることができます。

インストールファイルをダウンロード

Kali Linuxの公式サイトでは、使用環境に応じた最新版のインストールファイルが提供されています。この記事では、VirtualBox上にKali Linuxを構築するので、VirtualBox用に最適化された仮想マシンのイメージファイルをダウンロードします。

VirtualBox(仮想環境)にKali Linuxをインストールすることで、ホストOS(Windows、macOSなど)への影響を最小限に抑えつつ、セキュリティ学習や検証に最適な環境を手に入れることができます。

STEP

Virtual Machinesを選択

VirtualBoxのダウンロード画面
STEP

VirtualBoxのイメージファイルをダウンロード

VirtualBoxのイメージファイルをダウンロード
STEP

ダウンロードしたファイルを解凍

ダウンロードしたイメージファイルを、7z形式に対応した解凍・圧縮ソフト(例.7-Zipなど)で解凍します。(解凍に時間を要するので、しばらく待ちます。)

2025年7月27日時点の最新バージョンは、「2025.2」です。

  • kali-linux-2025.2-virtualbox-amd64.7z(3.3GB)
    • kali-linux-2025.2-virtualbox-amd64.vbox(3KB)※VirtualBox Machine Definition
    • kali-linux-2025.2-virtualbox-amd64.vdi(14.1GB)※Virtual Disk Image

Kali LinuxをVirtualBoxにインストール

この記事では、Windows10に構築している仮想環境にKali Linuxをインストールします。

インストール環境

OSWindows10 Pro 22H2(64bit)
CPUIntel Core i7
メモリ32GB
仮想化ソフトOracle VirtualBox 7.1.12

※VirtualBoxをまだ導入されていない方は、VirtualBox公式サイトよりインストーラーをダウンロードし、インストールをお願いします。

VirtualBoxにKali Linuxをインポート

解凍した仮想マシンファイル(.vbox)を使って、VirtualBoxにKali Linuxをインポートします。

STEP

追加アイコンをクリック

VirtualBoxにKali Linuxをインポートする
STEP

解凍した仮想マシンファイル(.vbox)を選択し、開くボタンを押下

解凍した仮想マシンファイル(.vbox)を選択
STEP

仮想マシンがインポートされたことを確認

仮想マシンがインポートされたことを確認

Kali Linuxを起動・ログイン

STEP

起動する仮想マシン(Kali Linux)を選択

VirtualBoxの画面(起動する仮想マシンKali Linuxを選択する)
STEP

起動アイコンをクリック

Kali Linuxを選択し、起動ボタンをクリック

別ウィンドウが立ち上がり、Kali Linuxが起動します。(ログイン画面が表示されるまで、しばらく待ちます。)

STEP

ログインID/パスワードを入力し、Log Inボタンをクリック

※初期状態のログインID/パスワード:kali / kali

ログインID/パスワードを入力し、Log Inボタンをクリック
STEP

デスクトップ環境(Xfce)が表示される

デスクトップ環境(Xfce)

Kali Linuxの初期設定

ここでは、下記の初期設定を行います。

主な初期設定
  • ターミナルの透過をやめる
  • パスワード変更
  • スクリーンセーバー無効
  • スクリーンロック無効
  • パッケージをアップデート
  • タイムゾーン設定
  • その他(ネットワーク設定、日本語化)

ターミナルの透過をやめる

まず、Terminalアイコンをクリックして、ターミナルを起動します。

Kali Linuxのターミナル

デフォルトで透過率5%が設定されているので、背景(壁紙)が透けて見えます。透過をやめたい方は、以下の手順に従い、透過率を0%に変更して下さい。

STEP

ターミナルのFileメニューを選択し、Prefencesをクリック

ターミナルのFileメニューを選択し、Prefencesをクリック
STEP

左メニュー「Appearance」を選択し、設定画面を下にスクロール

ターミナルの左メニュー「Appearance」を選択

設定画面を下にスクロールすると、画面下部に透過率の設定項目「Application transparency」があります。(デフォルト:5%)

設定画面を下にスクロール
STEP

Application transparencyを「0%」に変更し、OKボタンを押下

Application transparencyを「0%」に変更し、OKボタンを押下

パスワード変更

Kali Linuxの初期パスワードはデフォルトでkaliに設定されています。このままではセキュリティ上のリスクがあるため、必要に応じてパスワードを変更します。

ターミナル上でpasswdコマンドを実行

$ passwd
Changing password for kali.
Current password:         # 現在のパスワードを入力
New password:             # 新パスワードを入力
Retype new password:      # 再度、新パスワードを入力
passwd: password updated successfully

スクリーンセーバー無効

初期状態では5分でスクリーンセーバーが起動するので、無効にします。

STEP

Kali Linuxのメニューボタンをクリック

Kali Linuxのメニューボタンをクリック
STEP

検索ボックスに「screensaver」と入力し、Xfce Screensaverをクリック

検索ボックスに「screensaver」と入力し、Xfce Screensaverをクリック
STEP

Screensaverタブをクリック

Screensaverタブをクリック
STEP

Enable Screensaverを「OFF」に変更し、Closeボタンをクリック

Enable Screensaverを「OFF」に変更し、Closeボタンをクリック

スクリーンロック無効

上記のスクリーンセーバーを無効にすると、通常はスクリーンロックも自動的に無効化されます。もし無効化されない場合は、明示的に設定を変更してください。

STEP

Lock Screenタブをクリック

Lock Screenタブをクリック
STEP

Enable Lock Screenを「OFF」に変更し、Closeボタンをクリック

Enable Lock Screenを「OFF」に変更し、Closeボタンをクリック

パッケージをアップデート

Kali LinuxはDebian系のLinuxのため、aptを使ってアップデートします。

以前はapt-getを使用していましたが、現在はaptが推奨されています。

STEP

パッケージのリストを更新する

$ sudo apt update
STEP

インストールされている全てのパッケージを更新する

$ sudo apt full-upgrade
STEP

依存関係で不要になったパッケージを削除する

$ sudo apt autoremove
STEP

キャッシュを削除する

$ sudo apt autoclean

タイムゾーン設定

Kali Linuxの初期設定では、システム日付が米国東部夏時間(EDT)に設定されています。

$ date
Fri Jul 25 05:37:45 AM EDT 2025

そのため、タイムゾーンを日本標準時(JST)に変更します。

STEP

タイムゾーンの設定ウィザードを起動

$ sudo dpkg-reconfigure tzdata

Configuring tzdataが起動します。

Configuring tzdata
STEP

「Asia」を選択

上下キーでAsiaを選択し、タブキーでOKに遷移後、スペースキーを押下します。

上下キーでAsiaを選択し、タブキーでOKに遷移後、スペースキーを押下
STEP

「Tokyo」を選択

上下キーでTokyoを選択し、タブキーでOKに遷移後、スペースキーを押下します。

上下キーでTokyoを選択し、タブキーでOKに遷移後、スペースキーを押下
STEP

日本標準時(JST)で表示されることを確認

$ date
Fri Jul 25 06:41:22 PM JST 2025

その他(ネットワーク設定、日本語化)

お使いの環境に応じて、以下の設定を実施して下さい。

Kali Linuxのツールを使い倒そう!

Kali Linuxを安心・安全な環境で学ぶ

サイバーセキュリティの技術を習得するためには、実践的な学習が欠かせません。ただし、セキュリティ診断を目的としていても、第三者が管理するサーバーに対してKali Linuxを使用すると、サイバー攻撃とみなされ、法的なトラブルに発展する可能性があります。

こうしたリスクを回避し、学習を効率的に進めるために、〝やられアプリ〟を利用することをお勧めします。実際の環境とは切り離された擬似的な脆弱環境を使用することで、安全かつ合法的に実践的なスキルを磨くことができます。

セキュリティツールの使い方を徹底解説!

Kali Linuxには、あらかじめ多数のセキュリティツールが搭載されており、すぐにご利用いただけます。各ツールの使い方については、以下の記事をご参照ください。

デフォラボ

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