Kali Linuxを日本語化
Kali Linuxを日本語環境で使用するためには、設定変更が必要です。本記事では、Kali Linuxを初めて使う人でも迷わずに日本語化できるように、具体的な手順を解説しています。
- 日本語キーボードの設定
- 日本語表示の設定
- 日本語入力の設定
この記事の末尾には、Kali Linuxをより深く理解し、習得するためのポイントも掲載しています。最後までご覧ください。
前提条件
この記事では、Kali Linux 2025.2の日本語化を解説しています。
まだ、Kali Linuxをインストールしていない場合、下記の記事をご覧ください。Kali LinuxをVirtualBoxにインストールする手順を、画像付きで解説しています。

キーボード配列を日本語キーボードに変更
Kali Linuxを初期設定のまま利用すると、キーボード設定が英語キーボードとなっています。そのため、日本語キーボードを使用する場合は設定変更が必要です。
- キーボード設定画面を開く
- キーボードレイアウトのデフォルト設定を無効にする
- キーボードレイアウトを選択
- バリアントを選択
- 設定内容を確認
キーボード設定画面を開く
まず、Kali Linuxのメニューを開きます。

次に、検索ボックスにkey
と入力し、「Keyboard」を選択します。

キーボードレイアウトのデフォルト設定を無効にする
Layout
タブを選択し、Use system defaults
をオフにした後、Edit
ボタンを押下します。

キーボードレイアウトを選択
Keyboard layoutはJapanese
を選択します。(左の三角マークをクリックすると、バリアントが表示されます。)

バリアントを選択
ご自身の環境にあわせて、バリアントを選択し、OK
ボタンをクリックします。

設定内容を確認
Keyboard layoutの設定値がEnglish(US)
からJapanese
に変更になったことを確認し、Close
ボタンをクリックします。

日本語表示、日本語入力の設定
- ターミナルを起動する
- 現在のロケール(地域設定)を確認
- 使用可能なロケールを確認
- 日本語化に必要なパッケージのインストール状況を確認
- 日本語化に必要なパッケージをインストール
- ロケール設定画面を起動
- 日本語ロケールを追加
- デフォルトロケールを選択
- 使用可能なロケールを再確認
- Kali Linuxを再起動
- ロケールを確認
- 日本語入力できることを確認
ターミナルを起動する
Terminal
アイコンをクリックして、ターミナルを起動します。(以降の作業は、ターミナル内で行います。)

現在のロケール(地域設定)を確認
Kali Linuxの初期設定では、デフォルトロケールとしてen_US.UTF-8
が設定されています。
- en:英語 (English)
- US:アメリカ合衆国(United States)
- UTF-8:Unicode を実現するための標準的な文字エンコーディング
$ locale
LANG=en_US.UTF-8
LANGUAGE=
LC_CTYPE="en_US.UTF-8"
LC_NUMERIC="en_US.UTF-8"
LC_TIME="en_US.UTF-8"
LC_COLLATE="en_US.UTF-8"
LC_MONETARY="en_US.UTF-8"
LC_MESSAGES="en_US.UTF-8"
LC_PAPER="en_US.UTF-8"
LC_NAME="en_US.UTF-8"
LC_ADDRESS="en_US.UTF-8"
LC_TELEPHONE="en_US.UTF-8"
LC_MEASUREMENT="en_US.UTF-8"
LC_IDENTIFICATION="en_US.UTF-8"
LC_ALL=
$ localectl status
System Locale: LANG=en_US.UTF-8
VC Keymap: (unset)
X11 Layout: us
X11 Model: pc105
使用可能なロケールを確認
Kali Linuxの初期状態では、日本語ロケールは設定されていないことが確認できます。
$ localectl list-locales
C.UTF-8
en_US.UTF-8
日本語化に必要なパッケージのインストール状況を確認
$ sudo apt list --installed | grep task-japanese
〜 出力なし 〜
日本語化に必要なパッケージは、インストールされていません。
$ sudo apt list | grep task-japanese
task-japanese-desktop/kali-rolling 3.80+kali1 all
task-japanese-gnome-desktop/kali-rolling 3.80+kali1 all
task-japanese-gnome-flashback-desktop/kali-rolling 3.80+kali1 all
task-japanese-kde-desktop/kali-rolling 3.80+kali1 all
task-japanese/kali-rolling 3.80+kali1 all
日本語化に必要なパッケージは、公式リポジトリで提供されています。
日本語化に必要なパッケージをインストール
$ sudo apt install task-japanese task-japanese-desktop
ロケール設定画面を起動
$ sudo dpkg-reconfigure locales
日本語ロケールを追加

Locales are a framework to switch between multiple languages and allow users to use their language, country, characters, collation order, etc.
Please choose which locales to generate.
UTF-8 locales should be chosen by default, particularly for new installations.
Other character sets may be useful for backwards compatibility with older systems and software.
Please note that the C, C.UTF-8 and POSIX locales are always available and do not need to be generated.
Locales to be generated:
ロケールは、複数の言語を切り替えるためのフレームワークであり、ユーザーが自分の言語、国、文字、順序などを利用できるようにします。
生成するロケールを選択してください。
新規インストールの場合、特に UTF-8 ロケールをデフォルトとして選択することを推奨します。
その他の文字セットは、古いシステムやソフトウェアとの互換性を保つために有用な場合があります。
なお、C、C.UTF-8、および POSIX ロケールは常に利用可能であり、生成する必要はありません。
生成するロケール:
上下キー
を使用してja_JP.UTF-8 UTF-8
までカーソルを移動させた後、スペースキー
を押して選択状態*マーク
にします。次に、タブキー
でOK
ボタンにフォーカスを移動し、スペースキー
を押下します。
デフォルトロケールを選択

Many packages in Debian use locales to display text in the correct language for the user.
You can choose a default locale for the system from the generated locales.
This will select the default language for the entire system.
If this system is a multi-user system where not all users are able to speak the default language, they will experience difficulties.
Default locale for the system environment:
Debian の多くのパッケージは、ロケールを使用して、ユーザーに適した言語でテキストを表示します。
生成されたロケールの中からシステムのデフォルトロケールを選択できます。
これにより、システム全体のデフォルト言語が選択されます。
もしこのシステムがマルチユーザー環境であり、すべてのユーザーがデフォルト言語を理解できない場合、そのユーザーたちは不便を感じる可能性があります。
システム環境のデフォルトロケール:
上下キー
を使ってja_JP.UTF8
を選択し、タブキー
でOK
ボタンにフォーカスを移動させた後、スペースキー
を押して確定します。
使用可能なロケールを再確認
$ localectl list-locales
C.UTF-8
en_US.UTF-8
ja_JP.UTF-8
ja_JP.UTF-8
が追加されたことを確認します。
Kali Linuxを再起動
日本語化を有効にするために、Kali Linuxを再起動します。再起動後、フォルダ名を日本語に変更するかどうかを尋ねるダイアログが表示されます。「標準フォルダーの名前を現在の言語に合わせて更新しますか?」というメッセージが表示されますので、ご自身の作業環境や好みに合わせて選択してください。

ロケールを確認
$ locale
LANG=ja_JP.UTF-8
LANGUAGE=
LC_CTYPE="ja_JP.UTF-8"
LC_NUMERIC="ja_JP.UTF-8"
LC_TIME="ja_JP.UTF-8"
LC_COLLATE="ja_JP.UTF-8"
LC_MONETARY="ja_JP.UTF-8"
LC_MESSAGES="ja_JP.UTF-8"
LC_PAPER="ja_JP.UTF-8"
LC_NAME="ja_JP.UTF-8"
LC_ADDRESS="ja_JP.UTF-8"
LC_TELEPHONE="ja_JP.UTF-8"
LC_MEASUREMENT="ja_JP.UTF-8"
LC_IDENTIFICATION="ja_JP.UTF-8"
LC_ALL=
$ localectl status
System Locale: LANG=ja_JP.UTF-8
VC Keymap: (unset)
X11 Layout: us
X11 Model: pc105
ロケール設定がja_JP.UTF-8
に変更されたことを確認できます。
日本語入力できることを確認
Shift
+スペースキー
を同時に押すと、入力モード(日本語入力モード、英数字入力モード)を切り替えることができます。(日本語キーボードの場合、半角/全角キー
でも可。)
- インプットメソッドフレームワーク(IBus、uimなど)
- 変換エンジン(Anthy、Mozcなど)
Kali Linuxを使いこなすポイント
ネットワークを設定する
Kali Linuxを快適に利用するためには、日本語化と合わせてネットワーク設定も重要です。下記の記事では、VirtualBoxを使ったKali Linuxのネットワーク設定を解説していますので、まだネットワーク設定がお済みでない方は、あわせてご覧ください。

Google Chromeをインストールする
Kali LinuxにはFireFoxがデフォルトブラウザとしてプリインストールされていますが、Google Chromeをインストールすることもできます。

サイバーセキュリティを安心・安全に学ぶ
Kali Linuxを無断で他者のサーバーに対して使用すると、法的な問題が発生する可能性があります。
学習目的でKali Linuxを使用する際には、〝やられアプリ〟を活用することを強くお勧めします。やられアプリを用いることで、安全な環境でKali Linuxの学習を進めることができます。詳しくは、下記の記事をご覧ください。
Kali Linuxのツールを使い倒す
Kali Linuxには、多数のセキュリティツールが標準搭載されています。以下の記事では、各ツールの使用方法を詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。