「使い慣れたChromeを使いたい」
「でも、情報漏洩が心配・・・」
という方は、Chromiumがおすすめ。
この記事では、「Chromiumとは何か」という基本から始まり、日本語化やパネル登録までを丁寧に解説しています。
Chromiumとは
Chromium(クロミウム)は、Googleが中心となって開発しているオープンソースのウェブブラウザです。Google Chromeの基盤となっているソフトウェアであり、レンダリングエンジンにはBlinkが採用されています。
Chromiumはソースコードが公開されており、誰でも自由に改変や再配布が可能で、Google Chromeの他、Microsoft EdgeやOpera、BraveなどにもChromiumのソースコードが利用されています。
Google Chromeは利便性の高いブラウザですが、利用状況データの収集やトラッキング機能などのGoogle独自機能が組み込まれており、ペネトレーションテストやリサーチの環境としては望ましくない場合があります。
Kali Linuxには、Google Chromeはインストールされていませんが、Googleの公式サイトからインストーラーを取得して、インストールすることができます。詳しくは、下記の記事をご覧ください。

一方、Chromiumはデータ送信機能を標準で搭載していないため、情報流出やプライバシー保護を重視する環境では高く評価されています。
この記事で使用する検証環境
この記事では、日本語ロケールが導入済みのKali Linux 2025.2を使用しています。
$ locale
LANG=ja_JP.UTF-8
LANGUAGE=
LC_CTYPE="ja_JP.UTF-8"
LC_NUMERIC="ja_JP.UTF-8"
LC_TIME="ja_JP.UTF-8"
LC_COLLATE="ja_JP.UTF-8"
LC_MONETARY="ja_JP.UTF-8"
LC_MESSAGES="ja_JP.UTF-8"
LC_PAPER="ja_JP.UTF-8"
LC_NAME="ja_JP.UTF-8"
LC_ADDRESS="ja_JP.UTF-8"
LC_TELEPHONE="ja_JP.UTF-8"
LC_MEASUREMENT="ja_JP.UTF-8"
LC_IDENTIFICATION="ja_JP.UTF-8"
LC_ALL=
$ localectl status
System Locale: LANG=ja_JP.UTF-8
VC Keymap: (unset)
X11 Layout: us
X11 Model: pc105
Kali Linuxのロケール設定については、「Kali Linuxを日本語化する」をご覧ください。
Chromiumを起動する
アプリケーションメニュー:Usual Applications
-インターネット
-Chromiumウェブ・ブラウザ


以降のセクションで、ChromiumのUIを日本語UIに変更するので、一旦Chromiumを終了します。
Chromiumを日本語化する
Kali Linuxに標準で搭載されているChromiumは、デフォルトで英語UIとなっているため、日本語UIに変更します。最新版のKali Linuxでは、APT経由でchromium-l10n
パッケージを導入することで、UI全体が日本語表示に切り替わります。
$ sudo apt list --installed | grep chromium-l10n
〜 なし 〜
Kali Linuxの初期状態では、chromium-l10n
はインストールされていません。
$ sudo apt list | grep chromium-l10n
chromium-l10n/kali-rolling 139.0.7258.127-2 all
$ sudo apt info chromium-l10n
Package: chromium-l10n
Version: 139.0.7258.127-2
Priority: optional
Section: localization
Source: chromium
Maintainer: Debian Chromium Team <chromium@packages.debian.org>
Installed-Size: 114 MB
Depends: chromium (>= 139.0.7258.127-2), chromium (<< 139.0.7258.127-2.1~)
Homepage: http://www.chromium.org/Home
Tag: role::app-data
Download-Size: 8,325 kB
APT-Sources: http://http.kali.org/kali kali-rolling/main amd64 Packages
Description: web browser - language packs
Web browser that aims to build a safer, faster, and more stable internet
browsing experience.
.
This package contains language packages for:
am, ar, bg, bn, ca, cs, da, de, el, en-GB, es-419, es, et, fi, fil, fr, gu, he,
hi, hr, hu, id, it, ja, kn, ko, lt, lv, ml, mr, nb, nl, pl, pt-BR, pt-PT,
ro, ru, sk, sl, sr, sv, sw, ta, te, th, tr, uk, vi, zh-CN, zh-TW
chromium-l10nがKali Linuxの公式リポジトリで管理されていますので、APTパッケージマネージャを使ってインストールを進めます。
sudo apt update
sudo apt install chromium-l10n

Chromeと同様、画面上で右クリックすると、メニューが表示されます。


Chromiumをパネルに登録する
Kali Linuxを日常的に利用する上で、よく使うアプリケーションをパネルに登録しておくことは作業効率の向上に直結します。特にWebブラウザは調査や検証作業に頻繁に利用するため、ワンクリックで起動できる状態にしておくことが望ましいです。
Chromiumウェブ・ブラウザ
を右クリックし、パネルに追加
を選択します。


