【2025年版】Kali LinuxでChromiumを快適に使う

「使い慣れたChromeを使いたい」
「でも、情報漏洩が心配・・・」

という方は、Chromiumがおすすめ。

この記事では、「Chromiumとは何か」という基本から始まり、日本語化パネル登録までを丁寧に解説しています。

目次

Chromiumとは

Chromium(クロミウム)は、Googleが中心となって開発しているオープンソースのウェブブラウザです。Google Chromeの基盤となっているソフトウェアであり、レンダリングエンジンにはBlinkが採用されています。

Chromiumはソースコードが公開されており、誰でも自由に改変や再配布が可能で、Google Chromeの他、Microsoft EdgeやOpera、BraveなどにもChromiumのソースコードが利用されています。

Google Chromeは利便性の高いブラウザですが、利用状況データの収集やトラッキング機能などのGoogle独自機能が組み込まれており、ペネトレーションテストやリサーチの環境としては望ましくない場合があります。

Kali Linuxには、Google Chromeはインストールされていませんが、Googleの公式サイトからインストーラーを取得して、インストールすることができます。詳しくは、下記の記事をご覧ください。

一方、Chromiumはデータ送信機能を標準で搭載していないため、情報流出やプライバシー保護を重視する環境では高く評価されています。

Chromiumには、自動アップデート機能(Google Update)が搭載されていないため、Kali Linuxの公式リポジトリを通じて、手動でアップデートする必要があります。

この記事で使用する検証環境

この記事では、日本語ロケールが導入済みのKali Linux 2025.2を使用しています。

$ locale
LANG=ja_JP.UTF-8
LANGUAGE=
LC_CTYPE="ja_JP.UTF-8"
LC_NUMERIC="ja_JP.UTF-8"
LC_TIME="ja_JP.UTF-8"
LC_COLLATE="ja_JP.UTF-8"
LC_MONETARY="ja_JP.UTF-8"
LC_MESSAGES="ja_JP.UTF-8"
LC_PAPER="ja_JP.UTF-8"
LC_NAME="ja_JP.UTF-8"
LC_ADDRESS="ja_JP.UTF-8"
LC_TELEPHONE="ja_JP.UTF-8"
LC_MEASUREMENT="ja_JP.UTF-8"
LC_IDENTIFICATION="ja_JP.UTF-8"
LC_ALL=

$ localectl status
System Locale: LANG=ja_JP.UTF-8
    VC Keymap: (unset)
   X11 Layout: us
    X11 Model: pc105

Kali Linuxのロケール設定については、「Kali Linuxを日本語化する」をご覧ください。

Chromiumを起動する

STEP
Kali Linuxには、Chromiumが標準で搭載されていますので、アプリケーションメニューから起動することができます。

アプリケーションメニュー:Usual Applications-インターネット-Chromiumウェブ・ブラウザ

Kali Linuxのアプリケーションメニュー
STEP
設定メニューをクリックし、英語UIになっていることを確認します。
設定メニューをクリックし、英語UIになっていることを確認

以降のセクションで、ChromiumのUIを日本語UIに変更するので、一旦Chromiumを終了します。

Chromiumを日本語化する

Kali Linuxに標準で搭載されているChromiumは、デフォルトで英語UIとなっているため、日本語UIに変更します。最新版のKali Linuxでは、APT経由でchromium-l10nパッケージを導入することで、UI全体が日本語表示に切り替わります。

chromium-l10n: Chromium用のローカライズ(翻訳)パッケージ

STEP
chromium-l10nのインストール状況を確認
$ sudo apt list --installed | grep chromium-l10n
〜 なし 〜

Kali Linuxの初期状態では、chromium-l10nはインストールされていません。

STEP
chromium-l10nが公式リポジトリで管理されているか確認
$ sudo apt list | grep chromium-l10n
chromium-l10n/kali-rolling 139.0.7258.127-2 all

$ sudo apt info chromium-l10n
Package: chromium-l10n
Version: 139.0.7258.127-2
Priority: optional
Section: localization
Source: chromium
Maintainer: Debian Chromium Team <chromium@packages.debian.org>
Installed-Size: 114 MB
Depends: chromium (>= 139.0.7258.127-2), chromium (<< 139.0.7258.127-2.1~)
Homepage: http://www.chromium.org/Home
Tag: role::app-data
Download-Size: 8,325 kB
APT-Sources: http://http.kali.org/kali kali-rolling/main amd64 Packages
Description: web browser - language packs
 Web browser that aims to build a safer, faster, and more stable internet
 browsing experience.
 .
 This package contains language packages for:
 am, ar, bg, bn, ca, cs, da, de, el, en-GB, es-419, es, et, fi, fil, fr, gu, he,
 hi, hr, hu, id, it, ja, kn, ko, lt, lv, ml, mr, nb, nl, pl, pt-BR, pt-PT,
 ro, ru, sk, sl, sr, sv, sw, ta, te, th, tr, uk, vi, zh-CN, zh-TW

chromium-l10nがKali Linuxの公式リポジトリで管理されていますので、APTパッケージマネージャを使ってインストールを進めます。

STEP
chromium-l10nをインストールする
sudo apt update
sudo apt install chromium-l10n
STEP
Chromiumを起動して、日本語UIに切り替わったことを確認
Chromiumのメニュー
STEP
翻訳機能も動作することを確認

Chromeと同様、画面上で右クリックすると、メニューが表示されます。

Chromiumの翻訳機能
Chromiumの翻訳機能を使って、日本語に翻訳

Chromiumをパネルに登録する

Kali Linuxを日常的に利用する上で、よく使うアプリケーションをパネルに登録しておくことは作業効率の向上に直結します。特にWebブラウザは調査や検証作業に頻繁に利用するため、ワンクリックで起動できる状態にしておくことが望ましいです。

STEP
アプリケーションメニューのChromiumウェブ・ブラウザを右クリックし、パネルに追加を選択します。
Kali Linuxのアプリケーションメニュー
STEP
パネルの一番右にChromiumアイコンが追加されます。
パネルの一番右にChromiumアイコンが追加される
STEP
Chromiumアイコンを右クリックし、移動を選択すると、アイコンの位置を自由に変更できます。
Chromiumアイコンを右クリック
STEP
FireFoxアイコンの横に移動しました。
Chromiumアイコンを移動
デフォラボ

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